阪神は14日、ロッテを戦力外となった吉見祐治投手(35)の獲得を発表した。年俸は推定1500万円で、背番号は未定。兵庫・西宮市内の球団事務所で会見した左腕は「1度死んだ身。拾ってもらって、チャンスをいただいてありがたい。年齢も年齢なので、骨をうずめるつもりでやります」と意気込んだ。

 和歌山で育ち、周囲は虎党ばかりだった。「憧れのユニホームだったので、正直うれしい」。大卒13年目の左腕は横浜時代、同学年の加藤と同僚。今季の阪神救援陣を支えた左腕からは「おめでとう」と連絡があった。「加藤康介とは一緒にやったことがある。お互い頑張ろう、と。みんなライバルなので」。左投手は1人でも多くほしいところ。同じく戦力外から復活した加藤のように、恩返しの奮投を誓った。

 同席した木戸克彦GM補佐は「死んだ身と言ってましたが、死んでません。戦力外受けても、ずっと体を動かしていた」と期待した。精悍(せいかん)さを失っていない顔は真っ黒。横浜時代に通算打率2割3分3厘を残す打撃も定評がある。「打撃は練習しておきます。パ・リーグを経験して増えた引き出しを、タイガースで出していきたい」。頼もしい男が加わった。【近間康隆】

 ◆吉見祐治(よしみ・ゆうじ)1978年(昭53)5月21日、和歌山県生まれ。星林から東北福祉大へ進学し、00年シドニー五輪に出場。同年ドラフト2位で横浜(現DeNA)入団。02年にチーム最多の11勝を挙げ、03年は開幕投手。10年途中にロッテへ移籍して今季は5試合1敗、防御率3・86だった。通算267試合44勝62敗。188センチ、92キロ。左投げ左打ち。