丸、122%アップ!

 広島丸佳浩外野手(24)が4日、広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、2800万円増の年俸5100万円でサインした。今季は140試合出場で打率2割7分3厘、14本塁打を記録。大幅昇給を勝ち取り、来季は打率3割&出塁率4割を視野に入れる。(金額は推定)

 丸はどこまでも冷静だった。2800万円増の大幅昇給を勝ち取っても、浮かれた様子はない。4年間球団預かりとなっていた背番号9を来季から背負う。強い責任感からか、会見場でもホオは緩まなかった。

 丸

 僕の中で9番は緒方さん(野手総合コーチ

 ベンチ担当)のイメージが強い。三村さん、緒方さんのイメージを持っている方も多いと思う。すぐにはできないけど、カープの9番といえば丸と言ってもらえるように頑張ります。

 今季は140試合に出場し、打率2割7分3厘、14本塁打、58打点、29盗塁はいずれもチーム最多。自身初の盗塁王にも輝いた。中でも球団が高評価したのはリーグ2位タイの82得点だ。鈴木球団本部長は「菊池と似たような評価です。1、2番の仕事をよくしてくれた」と野手トップ級の査定を明かした上で「来年は3割ぐらい打ってほしい。そうすれば3番打者に定着してくる」と期待した。

 本人は自覚たっぷりだ。打率3割を問われると「頑張れれば」。今季3割7分6厘だった出塁率の4割到達に向けても「そうですね、そこは」と視野に入れた。夏場に調子を崩した反省も踏まえ、オフは広島市内のジム「アスリート」でのトレーニングを中心に肉体をいじめ抜く。現在、体重90キロ。「これ以上大きくなると、ただのデブ。中身を変えたい。今は体脂肪率14~15%ぐらい。体が筋肉7、脂肪3なら8、2とか9、1にしていきたい」と力を込めた。

 一方でフォームは継続を重視する。昨秋グリップを下げ、レベルスイングを意識したものに改良した。「フォームを固めたい。試合の中で崩れないように。もっと確実性を高めたい。自分のような打者が100三振してはいけない」。目指す方向性は明確だ。

 今季、チームは16年ぶりのAクラス入りを果たしたが、CSファイナルステージで巨人に完敗。「うれしい思いも悔しい思いもした。それを生かして、来年は優勝したい」。先頭に立ち、23年ぶりのV奪回に導く。【佐井陽介】