【ソウル5日=酒井俊作】石仏、山に登る!
新守護神のトレーニング風景を日刊スポーツが独占キャッチした。前日4日に阪神と契約調印式を終えた呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国サムスン)が5日、自主トレ拠点とするトレーニング施設で取材に応じ「山登りトレーニング」で鍛えていることを明かした。元中日・宣銅烈(現KIA監督)や元ヤクルト・林昌勇(現カブス)の薫陶を受け、マイペースを貫く決意をみなぎらせた。
強気発言を連発した契約調印式から一夜明けて、呉昇桓はソウル市内のトレーニング施設に足を運んだ。ウインドブレーカーに身を包み、ハーフパンツからのぞく両足はギュッと引き締まる。窓の外には、88年ソウル五輪の会場・蚕室(チャムシル)野球場が映る。いざ、世界へ。韓国最多277セーブの最強守護神も待望の海外進出だ。
来季に向けて、着実に準備を重ねる。穏やかな表情を浮かべながら、口を開いた。
「体はリハビリの時期です。道場とか山に登ったりサイクリングとか…。野球をする前の体を作る練習をいろいろやってます。毎年やっていること」
日本球界への挑戦に気負いはない。1歩1歩、着実に…。ソウル市内の清渓山を登っているとみられ、地道に下半身強化している。
堂々と新たなステージに臨む。頼もしい「お手本」がいることも明かした。日本球界で活躍した宣銅烈と林昌勇だ。サムスンでは宣監督に指導を受け、林先輩の背中を追った。同じ投手、ストッパーとして共感したのは、胸を張ってプレーする姿だ。
「2人は有名だし、優秀な投手だと思う。あの2人は(日本へ行っても)自分のペースでやればいいんじゃないかと思っている。新しい球種よりも、自分の持っている球を押し込みたい。(変わるとしたら)結果を見てから変わっていくもの。それよりも、自分のペースをどれだけ上げるか。自分のペースを信じてやるしかない」
韓国から日本球界入りした投手の多くが来日1年目は苦戦している。宣銅烈ですら、96年に38試合で防御率5・50だった。一筋縄ではいかないのは覚悟の上。先輩2人を見習い、呉昇桓もわが道を突き進む。
一方で「監督やコーチの意見に合わせながら開幕に向けて頑張る。球団の考えに合わせたい」と柔軟な考えも持つ。チーム事情を最大限くみ取った上でベストの調整を決める。
「(今年も阪神に)7、8、9回を抑えられる投手がいることは分かっています。自分は抑えでやってきた。7、8回が誰か分からないけど自分は自分の投げるペースに合わせるだけ」
10日に来日し、13日に入団発表。その後は林昌勇らと20日ごろからグアムで自主トレ予定だ。2週間以上の長丁場を南国で鍛え、戦える体に整える。



