去就が注目される楽天田中将大投手(25)は、日米間で基本合意した新ポスティングシステム(入札制度)に関するコメントを避けた。6日、都内で行われた「プロ野球最優秀バッテリー賞」の表彰式に出席。新制度について質問されたが「まだ正式に決まっていないでしょう。(日米間で)サインしてない。決まってからです」と語るにとどめた。かねての方針通り、メジャー挑戦に関する意思表明は、正式に新制度が発表された後になる。

 近日中にも、立花球団社長と話し合う場が設けられる見込みだ。同社長は、Kスタ宮城で取材に応じ「まず残留交渉をしたい。その上で、彼の意思確認をするのが普通の手順」と強調した。同社長は米国で行われるウインターミーティングに出席するため、9日に渡米する予定だった。だが「今は流動的です。(米国に)行くんだったら、その前に会うとすれば、あと2、3日(しかない)」と話すなど、渡米せずに田中との話し合いを優先する可能性も示唆した。その場合でも、田中は11日からハワイへ優勝旅行に行くため、時間的な余裕は多くない。

 入札額の上限が約20億円に定められた新制度に関し、立花社長は「ステークホルダー(利害関係者)に説明するだけの材料がそろっているとも思えない」などと難色を示しており、前日5日にはポスティング申請を認めない可能性も示していた。いずれにせよ、制度の方向性が見えたことで、今後は球団と田中の話し合いが注目される。【斎藤庸裕】