オリックスが来季、主力流出の恐怖にさらされることになった。19日、エース金子千尋投手(30)が、ほっともっと神戸で2度目の契約更改交渉に臨み、単年契約で8000万円増の2億円プラス出来高(金額は推定)でサインした。来季中に国内FA権を取得見込みで、球団からは複数年契約の提示もあったが「自分に甘えたくない。1年1年が勝負なので。危機感をもってやりたい」とのポリシーで単年契約を選択。FA権については「とってから考えます」と話した。

 交渉した横田球団本部長補佐は「いい話し合いができた。納得してサインしたということ」としたものの、複数年契約はならず「(単年か複数年かの)選択権は向こうにあるので」と苦笑いするしかなかった。

 金子は今季15勝8敗、防御率2・01の好成績をマーク。最多奪三振のタイトルも獲得した。絶対的エースがFA権をとれば、本人の意向はともかく、他球団から標的となるのは確実。まして守護神平野佳、選手会長の坂口、復活を期す馬原も順調なら来季中に国内FA権を取得する見込みだ。いずれも単年契約のため、主力の大量流出の恐れがある。今オフは李大浩、バルディリスの主力打者が抜けたが、オリックスにとって来オフは、さらなる恐怖が待っている?

 【高垣誠】