天敵をカモにできるカモ!?

 ロッキーズからFAとなりDeNA入りした高橋尚成投手(38)が26日、横浜市内の球団事務所で入団会見を行った。5年ぶりの日本球界復帰に「(巨人時代は)横浜は相性がよかった。できれば相手にした方がよかったかな、と思うけど、他の球団をカモにできる投手になれたらと思う」と力を込めた。

 巨人時代、格好のカモが横浜(現DeNA)だった。在籍した10年間の対戦成績は、56試合で24勝(13敗)の防御率2・88。特に、メジャー移籍前の07年からの3年間は、16試合に先発してわずか1敗(10勝)しかしていない。

 もし、他球団に加入していたら…。恐ろしい結果が待っていたカモしれないが、来季は心強い味方。中畑監督がその力を発揮してほしいのは、この2年で35個の白星を献上し、完全にカモ状態になっている巨人だ。会見で古巣への意識を聞かれた高橋は「知ってるメンバーと敵として戦うやりづらさもあるけど、楽しみです」とニヤリ。そして、「監督もそういう(起用する)つもりだと思います」と自身に求められる役割をしっかり自覚していた。

 強さを知るからこそ、闘志をかき立てられる。「もちろん手ごわい。でも倒せない相手じゃない。同じプロの土台に立っているチームですから」。入団の決め手は母校の駒大、そして巨人の先輩である中畑監督の存在だった。だからこそ「秋は胴上げする強い気持ちで戦っていきたい」と誓った。カモのおいしい季節は秋から冬。ベテラン左腕が古巣をカモに出来れば、来秋はうまい酒が飲めるカモしれない?【佐竹実】