阪神の新ストッパー呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国・サムスン)が、14年から大手スポーツ用品メーカーの「デサントコリア」とアドバイザリー契約を結んでいたことが21日、分かった。「デサント」と言えば、かつて元阪神新庄剛志氏も結んだスターの証し。韓国を飛び出し、日本でも呉昇桓モデルのグラブを手にする野球少年が現れるかも知れない。

 期待の大きさが表れていた。阪神の新守護神が、日本球界挑戦を前に最高のパートナーの協力を得ていた。今年からデサントコリアとアドバイザリー契約を締結。同社の関係者が「同じグループ会社として日韓でタッグを組んで、呉昇桓選手をサポートしていきたいと考えています」と力説した。

 同社は呉昇桓を用具面の開発を通じて、全力でサポートする。最高のパフォーマンスを引き出すためのグラブ、スパイク、トレーニングウエア…。ソフトバンク王貞治球団会長は現役時から関係が今でも深く、阪神OBでも新庄剛志氏など数々のスター選手を支えた。そのノウハウで、呉昇桓の新たな挑戦を側面支援する。

 アドバイザリー契約は、グラブやウエアの用具面の開発や用具提供を行い、選手のプレーのサポートを行う。また、商品を使用、着用することでブランドの広告塔ともなる。選手は最高のパートナーを得て、ブランドの“顔”にもなる。「ビジュアルを使って宣伝もさせてもらう予定です」と同関係者。韓国国内のデサントの広告に起用される予定だ。

 デサントコリアはデサントのグループ会社の1つでソウルに本拠を構える。契約に携わったのは韓国スタッフだが「デサントコリアのスタッフが呉昇桓選手をサポートするために、来日すると思われます。もちろん日本国内でプレーするので、デサントとしてもサポートはさせていただきます」と心強い。力強い日韓タッグが結成されそうだ。

 アドバイザリー契約は用具のサポートだけではなく、その選手のモデル製品の製造・販売なども行う。近々、韓国国内では呉昇桓モデルのグラブやスパイクが発売されることが濃厚。韓国の野球少年たちが、セーブ王モデルのグラブをはめる日も近い。そしてゆくゆくは日本でも…。

 全身デサントを身にまとった呉昇桓は18日、グアム自主トレでムキムキの鍛えられた肉体を披露した。新しいステージでの活躍に備え、肉体改造も順調だ。「石直球」に加え、デサントの強力バックアップ。日本球界でセーブの山を築く日は近い。

 ◆デサントとの契約選手

 日本では大阪天王寺区に本社を置くスポーツウエアの専門メーカーで、阪神では新庄が契約メーカーとして使用していたことで有名。球界ではソフトバンクの王会長を筆頭に、巨人に移籍した井端、中日のエース吉見、ロッテ角中、オリックス木佐貫などが契約している。