ソフトバンク帆足和幸投手(34)の新球は真っすぐ!?

 24日、熊本・山鹿市内で山田と自主トレ。キャッチボールでは「逆の真っすぐいきます」と謎の球種を予告し、三井野球部同期で練習パートナーの大中健さん(34)のグラブへ投げ込んだ。球界を代表する「真っスラ」の使い手のはずだが、その軌道は曲がらない。「真っスラだけでは苦しい。いろいろ試していますよ。ストレートも縫い目に指を逆にかけたり」。移籍3年目の今季に向けて変化を加えていた。

 ナチュラルにスライダー回転する直球が持ち味だけに、曲がらない直球は帆足にとってはある意味“魔球”だろう。使い分ければ打者にはやっかい。一般的に直球の握りは人さし指を縫い目の低い(狭い)部分にかけるが、ボールを4分の1回転させて高い(広い)部分にあてる。縫い目が丸く円状になっている部分を右に出した。「僕は手首を寝かせて投げるから真っスラする。こうして逆にかけると回転がきれいでボールが伸びる」。本来ミスマッチな握りが特徴的な投げ方に合った。左右の違いこそあるが、江川卓氏の剛速球もこの逆の握りから放たれたのは有名だ。

 西武からFA移籍して2年間で8勝8敗に終わった。「もっともっと投げないといけない」。現状維持は後退を意味する世界で、自分の代名詞を覆すような新・直球へ挑戦。「動く球も必要だし、ツーシームもいろいろな握りで投げています」。先発投手陣最年長の男が進化しようとしている。【押谷謙爾】