家は近いが構想は遠大だ。中日友利結投手コーチ(46)が27日、守護神岩瀬を除く全投手に先発適性テストを課す考えを明かした。沖縄合同自主トレの初日に、北谷町の自宅から車で5分の北谷球場を電撃視察。吉見不在の開幕ローテを案じ、浅尾や田島らの中継ぎ組や2位又吉ら新人にも先発の可能性を探る方針を示した。3年ぶりのV奪回へ、孝行息子出て来いやあ!

 自宅から北谷公園野球場までは歩いて15分、車で5分。合同自主トレ開始を待ってましたとばかりに、ご近所さんがやってきた。浦添市出身で北谷町在住のデニーこと友利投手コーチだ。岡田や田島ら投手陣の仕上がり具合は…。食い入るように若手8投手のブルペン投球を見つめ、仰天プランを明かした。

 友利コーチ

 先発がいない深刻な状況なので、岩瀬以外は全員先発ができるか、先入観なく見てみたい。あるものから見つけ出す。もちろん浅尾も、ね。

 なんと、1日からのキャンプで守護神岩瀬を除く1、2軍の竜投全員に先発適性テストを課す。そこに、不動のセットアッパー浅尾の名前まで入れた。さすがに先発浅尾は現実味に欠けたのか表情は半笑いだったが、それほど台所事情は苦しいと見ていた。

 手術明けの吉見が不在の開幕ローテを考えた時、確定は大野とカブレラしかいない。昨季不調の山内や岩田らの巻き返し、山本昌や川上らベテランの底力、岡田や武藤ら転向組にとどまらず、田島らの救援組、2位又吉ら新人からも可能性を探る方針だ。

 友利コーチ

 プロで1球も投げていないのに、リリーフでと言ったら夢がない。新人も候補です。チャンスは全員にある。残るヤツは残る。

 中継ぎに比べ、持久力が求められる先発は投げ込みや走り込みの練習も増える。そのメニューに耐えられるかの“事前審査”で、ふるい落としていく。クリアすれば、プロで先発経験のない小林や三瀬、高橋聡が先発に回る可能性もある。もちろん浅尾も!?

 それがデニー理論だ。

 投手は元来、先発志向が強いもの。田島は「任された所で投げます」と気合を入れ直し、福谷も「投げられる場面があるならどこでも」と闘志満々。又吉も「先発完投が理想。チャンスをいただけるならつかみ取る」と意気込んだ。果たして原石は発掘できるのか。サプライズが多いほど、V奪回に近道ができるのは間違いない。【松井清員】