ソフトバンク東浜巨投手(23)が明日15日、紅白戦に登板する。その日は恩師である亜大・生田勉監督(47)が視察に訪れる予定。プロ入り後、同監督の見守る中で投げたことはなく、13日登板予定だった紅白戦が雨天中止となり、プロで成長した姿を恩師に初披露する機会に恵まれた。

 「いつも通りやるだけです。投げているところを見てほしいですね」

 亜大時代は連日ブルペンで200球を超える投げ込みを行い、生田監督とビデオでフォームを確認した。二人三脚で育ててくれた監督の前で、同じく教え子の松田ら強力打線を抑えれば開幕ローテ入りへ猛アピールとなる。

 予定変更となったこの日はブルペンで82球。高低にきわどい球を投げ、捕手の後ろに立った審判のゾーンを確認した。「実戦を想定して投げました。きわどいところが僕の生命線なので」。本多が左打席に立つと内角低めへ投げ込んだ。

 その姿を東都の大先輩、東洋大出身で元西武の松沼雅之氏(57=野球解説者)も頼もしそうに見つめていた。松沼氏は「見た目にすごい球はないが、打てない高さ、コースに投げられる実戦的な投手。体も大きくなっているし、やってほしい」。投球後には球への指のかけ方もアドバイス。自身のリーグ完封記録(15)を22完封で抜かれた後輩に熱い期待を寄せた。

 ルーキーイヤーの昨年は体力不足もあって3勝1敗。亜大時代のような絶対的なエースになる挑戦が、恩師の目の前から本格化する。【石橋隆雄】