今年の助っ人コンビはイケてる!?

 阪神の新外国人マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ3A)が18日、宜野座キャンプのランチ打撃でド派手なアーチショーを披露した。マット・マートン外野手(32)と競演。ゴメスが88スイングで19本の柵越えを披露すればマートンも負けじと6連発など、75スイングで16本のオーバーフェンスだ。他球団の偵察隊も震え上がる「ツインバズーカ」こそ、V奪回の生命線になる。

 まるで砲弾だった。ズドン、ズドン、またズドン!

 宜野座の青空に、とめどなくアーチが描かれる。ゴメスとマートンがド迫力の本塁打ショーを演じた。交互に打つランチ打撃。火を付けたのはゴメスだ。15スイング目に左翼へ。次も左に柵越え。さらに、もう1発…。豪快に3連発だ。

 まだ下半身はぐらつきがあるものの、上半身のパワーは桁違い。「100%の状態じゃないけど、調子は上がってきている。強い打球が増えてきている」と話す。生まれたての長女の体調不良で来日が10日にずれ込んだ。調整ペースは遅れているが、20日紅白戦での初実戦も予定され、状態は上向き。和田監督も「飛んだときの飛距離は申し分ない。もう少しスピードが出てくれば。下半身がしっかりすればスイングスピードも出てくる」と期待する。

 一緒に打つ5年目のマートンも意地がある。ゴメスの連弾を見届けると一気にフルスロットルへ。5連発を放ったあと打席を譲り、打ち直しの第1球を左翼に放り込んだ。圧巻の6連発だ。どうだと言わんばかりの量産ぶりに、マートンは「レンシュウダケネ!

 ゲームオネガイシマス!

 3ガツ28ニチ、イチバンネ」と日本語でまくし立てた。

 昨季は見られない光景だった。コンラッドはミート中心の打撃で迫力ゼロ。今年は違う。2人のパンチ力なら相手に威圧感を与えられる。中日井本スコアラーはゴメスを「飛ばす力がある。空振りしても怖いという打者だね」と警戒。3月28日の開幕まで1カ月以上あり、今後は実戦での変化球の対応など数多く課題がある。柵越え数だけで真の実力を図ることはできないが、新助っ人に「飛ばす力」があるのは確かだ。

 初実戦のテーマを問われたゴメスは「焦らず、気負わず、打てる球を打つ。自分の持っている以上の力が入るとうまくいかない」と冷静だ。肩肘張らないスタンスも日本向きだろう。助っ人コンビが大砲と化せば覇権奪回も見えてくる。【酒井俊作】<ゴメちゃんのキャンプ>

 ◆お待たせ来日

 2月10日、誕生間もない長女の体調不良で予定より4日遅れの来日。「2日あれば体は仕上がる」と不安を吹き飛ばした。

 ◆桧山氏生チェック

 来日一夜明けの同11日、室内練習場で始動。40スイングで本塁打級の打球が19。日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏は、安定感のある打撃フォームをオマリー、マートン、バレンティンらとだぶらせた。

 ◆愛称はゴメちゃん

 同12日

 休日返上で打撃練習。居合わせたドラ5山本に「ゴメちゃんって呼んで」。

 ◆130メートル弾

 同14日、屋外で初のフリー打撃。42スイングで破壊力抜群の130メートル弾を含む7本のアーチ。

 ◆調整は実戦で

 同17日、和田監督は「もともと実戦で調整していくタイプ。本人もそうしたいと言っている」と積極的に実戦調整させる方針を明かす。