日本ハムの「キューバ危機」が本格化してきたことが10日、判明した。故障と調整遅れで1軍同行から外れていた新外国人ホアン・ミランダ内野手(30=メキシカンリーグ)と昨季本塁打王のミチェル・アブレイユ内野手(35)が今日11日からの西武3連戦(札幌ドーム)で本隊へ合流。ただ今カードはともに欠場する可能性があり、実戦調整は早くても15日からの中日2連戦(同)の見通しだが、それも不透明な情勢となっている。キューバ出身で中軸候補の2人が、ぶっつけ本番で開幕へ突入する公算が大きくなってきた。

 少し深刻な事態になってきた。期待の大砲2本が仲良く来日して、今日でちょうど1カ月。ミランダが1日広島との練習試合で腹筋の張りを自覚して途中交代。そのまま離脱が続いている。投手の配球など日本の野球へ適応しなければいけない時期だがオープン戦2戦を含め実戦調整は6試合、計14打席のみ。調整不足が顕著なアブレイユにいたってはキャンプ中はほぼ別メニューで実戦はすべて欠場。現在も日替わりで違和感を訴える箇所が違うなど不可解さもあるという。もちろん投手の生きたボールを、肉眼でチェックできていない状況でもある。

 中日2連戦の出場を見合わせればオープン戦は、残り5試合。特に打順3番候補筆頭のミランダは一塁手で起用が基本プランで、けん制を含めた守備のサインプレーなどを確認も必須だけに、不安要素が残る。腹筋の張りではなく、恥骨付近を痛めている情報もある。球団関係者によれば「2人とも、のんびりやっている」と危機感も希薄なようだ。指名打者で打順5番が有力なアブレイユも含め、ベスト布陣の打線を十分にテストできないままだ。

 最下位に沈んだ昨季は、開幕ダッシュに失敗し、最後まで響いた。「ミロ」と「アブちゃん」のキュートな愛称を持つキューバ・コンビだが、かわいげないほど悩みの種になってきた。