使命感を持って、日本一連覇を目指す。東日本大震災から3年がたった11日、楽天は滞在先の岡山でナイン全員による黙とうを行った。倉敷のマスカットスタジアムでの練習開始時、マウンドを囲むように円を作り、中堅後方バックスクリーンに掲げられた半旗に向かって1分間、目をつぶった。

 被災地の球団として、戦ってきた3年間だった。あらためて思いを問われた星野仙一監督(67)は遠くを見詰めた。数秒後、ゆっくり口を開いた。「俺たちは(被災した)当事者ではないから、軽々しくしゃべることはできない。本当のところは分からないんだ。想像しかできない。でも、苦しかったと思う。この寒さだし」と、被災した人たちに思いを寄せた。

 昨季は悲願のリーグ優勝と日本一を達成。被災地では、楽天の勝利が明るい話題になっていた。今季も勝って、また元気を届けたい。その思いは、星野監督を始め、ナイン全員が持っている。

 星野監督

 我々は野球を職業としている。(問題の)根本を変えることはできないが、瞬間、瞬間でつらいことを忘れさせることができればいい。仮のお茶の間にいて、心から喜べない人もいるかもしれない。それでも、喜んでくれたら。(被災者のために戦うことを)使命として背負わないといけない。モチベーションにしないといけない。

 勝利こそ最大の支援。「東北」を冠に抱き、これからも戦っていく。【古川真弥】