<オリックス4-0ロッテ>◇8日◇京セラドーム大阪

 5年連続Bクラスのオリックスが強い!

 西勇輝投手(23)が2安打完封で今季2勝目を挙げ、チームの7連勝を決めた。強さの理由は安定した先発投手陣。開幕から10試合でディクソン、金子、そして西と3投手が完封勝利を収めた。先発投手の防御率は0・98と抜群の強さを誇る。もちろん首位をがっちりキープした。

 うれしい因縁はつながっていた。12年10月8日ソフトバンク戦、森脇オリックスの船出をノーヒッターで飾った西が森脇政権初の7連勝を成し遂げた。ロッテ打線を2安打に封じ、与四死球ゼロ。完封勝利も、森脇監督の就任会見が行われた同日以来だ。「責任ある試合に投げさせてもらえて期待に応えたかった。やっぱり優勝したいですし」。西は頂点を見ていた。

 完封そのものは「意識はしませんでした。昨年も9回2死からホームラン打たれていますし」と、昨年6月2日広島戦(京セラドーム大阪)で丸に浴びた1発を思い出して苦笑い。だがこの日の9回は3者凡退。笑顔で伊藤と抱き合った。

 滑り出しは悪戦苦闘。マウンドの土がスパイクの底にこびりつき、気になって仕方なかった。「1、2回は全然マウンドと合わなくて。着地がうまくできなかった。ピッチングのたびに自分で足場をつくっていました」と苦しんだ。

 味方が好守で支えた。4回の井口の邪飛は右翼・鉄平がフェンスにぶつかりながら好捕。今江のゴロには三塁・ヘルマンがグラブを合わせ、流れるようにさばいた。「本当に感謝です」。野手に頭を下げ、自身には「低め、低め」と言い聞かせ、二塁すら踏ませない快投をやってのけた。

 開幕10試合以内で完封投手3人はオリックスでは35年ぶり。2安打完封は4日西武戦(京セラドーム大阪)の金子と並ぶ。森脇監督も「素晴らしいピッチングだった」と絶賛した。

 「金子さんはみんなに信頼されている。どんどん追いかけていきたい」。そんな相乗効果が、11年10月4日以来の貯金「6」を生み出した。【堀まどか】

 ▼西が2安打完封勝ち。オリックスの完封投手は3月29日ディクソン、4月4日金子に次いで早くも3人目。開幕から10試合で3人の完封投手は89年広島(大野、川口、長冨)以来で、オリックスでは阪急時代の79年に山田、佐藤義、三浦が記録して以来35年ぶりになる。オリックスは11年8~9月以来の7連勝となり、今季は8勝2敗。オリックスが開幕10試合で8勝以上は89年(9勝1敗)以来だ。8勝のうち7勝は先発の白星で、先発投手の防御率は0・98。防御率0点台の先発陣で開幕ダッシュに成功した。