<ソフトバンク3-1楽天>◇16日◇ヤフオクドーム

 三度目の正直とはならなかった。楽天のドラフト1位松井裕樹投手(18)が3度目の登板で、5回を5安打6四球3失点と、またしても制球に不安を残して降板した。プロ入り前から対戦を熱望していたソフトバンク内川には3打数3安打と完敗。2リーグ制後、高卒ルーキーが開幕から3戦3敗するのは史上初という不名誉な結果に終わった。チームはこれで2連敗となり、再び借金1となった。

 与えた四球は6つ。松井裕はまた課題の制球難を克服できなかった。同点に追いついた直後の3回。ソフトバンク先頭の本多に四球を与える。続く今宮に犠打を決められ、1死二塁。迎えたのは対戦を熱望していた内川だった。カウント0-2と追い込んだ直後。真ん中低め124キロのチェンジアップは落ちきらなかった。「内川さんに勝負球を打たれたのが全て。バッターが上でした」と勝ち越しを許した適時二塁打を消え入りそうな声で振り返った。

 ショックは大きく、そのまま4番李大浩、5番長谷川と連続四球を与え、1イニングで3与四球。この回に2点を失った。前回9日の日本ハム戦も4回に突然崩れた。1イニング4四球で2失点と自滅した。制球力を上げるために佐藤投手コーチが付きっきりで指導。シャドーピッチングを行うなど、フォーム固めを繰り返した。試合前日には「体重移動がだいぶ良くなってきた」と自信を見せたが、成果を発揮することが出来なかった。

 プロ入り後3試合14回1/3で15四球と内容は悪い。星野監督は今後の起用法を聞かれ「前回よりは良かったけどな。むちゃくちゃ授業料を払っている。高いじゃないか。いつか返してくれる素材だと思って使っている」と、今後も我慢しながら使い続ける方針だ。松井裕は「何かを変えていかないといけない」と前を向いた。初勝利への壁が大きく立ちはだかっている。【島根純】

 ▼楽天松井裕がデビューから3連敗となった。高卒新人の開幕連敗は2リーグ制後、53年西村貞朗(西鉄)と61年徳久利明(近鉄)の6連敗が最多。ドラフト制後に開幕3連敗以上したのは05年に3連敗した涌井秀章(西武)以来7人目になるが、高卒新人がプロ初登板から3試合で3敗は2リーグ制後初めてだ。