<オリックス4-1ソフトバンク>◇4月30日◇京セラドーム大阪

 オリックスがソフトバンクに連勝し、月間最多を更新する4月18勝目を挙げた。5連勝で97年以来の貯金11。先発井川慶投手(34)が5回1失点の力投で2勝目を挙げれば、6回以降は自慢の継投。佐藤達也投手(27)がセ・パ月間最多タイの11ホールド、平野佳寿投手(30)は4月最多11セーブで試合を締めた。記録的なスタートダッシュを決め、5月戦線に突入だ。

 粘りの投球で井川が「進撃の4月」を締めた。「野手とリリーフ陣に感謝です。それと(伊藤)光と西にも感謝しないと。だいぶ崩してくれたんで」。援護と好守で支えてくれた仲間に救援陣、リードした捕手だけでなく、前日4月29日の好投でソフトバンク打線を幻惑した西にも、井川は頭を下げた。チームの力を結集させ、4月の球団最多18勝は完成した。

 1点リードの3回は先頭本多に二塁打され、バント処理もミスして無死一、三塁。今宮の三塁ゴロの間に同点に追いつかれた。だが内川、李大浩を抑えて勝ち越しを許さない。4回1死満塁は本多、中村を連続三振に打ち取った。森脇監督が「あそこにつきる」と最大のポイントに挙げた粘投だった。

 春季キャンプまでは冗舌で昨年までの井川だった。シーズンでは「今年はしゃべりません」と宣言。登板日以外も練習に集中し、孤高を貫く。阪神の絶対的エースだったころの井川に戻った。今年はやれる、という手応えがあればこその沈黙への回帰だ。

 6回からは12球団屈指の救援陣がバトンをつなぐ。佐藤達がホールドで、平野佳はセーブ数で球史に名を残した。佐藤達は「野手が必死で点を取って、井川さんが粘って、比嘉さん、馬原さんがつないでくれた。流れを壊さないように必死でした」と、この1勝に全力を尽くしたことを強調した。

 記録に残るスタートに、森脇監督は「4月は、今年のオリックスは果敢に向かっていく、そういう姿をみんなで見せようと話してきた。それができたのではないかな」と手応えの開幕月を振り返った。【堀まどか】

 ▼オリックス平野佳が4月11セーブ目。月間11セーブ以上は97年8月に最多の14セーブを挙げた佐々木(横浜)を筆頭に5人目で、パ・リーグでは12年9月の武田久(日本ハム)に並ぶ最多タイ。4月に11セーブは両リーグを通じ初めて。

 ▼オリックスは11年9月(18勝)以来の月間18勝。4月は78年17勝を上回り球団記録更新。