阪神が呉昇桓投手(31)の“リミッター”を解除するプランが12日、浮上した。これまで8回を任されていた福原が11日に右足内転筋の張りで出場選手登録を抹消された。最短10日で戻る見込みだが、セットアッパー不在のピンチを乗り切るため守護神を8回から投入する可能性が出てきた。

 この日、甲子園での投手練習を指揮した山口投手コーチは8回の救援について「基本は7回をやっていた投手が、8回をやればいい」としながら、守護神の投入は「それは状況による。2連戦で1試合目だったらどうかと思うが、2試合目やったら選択肢としてあるわな」と話した。

 呉昇桓も「抑えは米国や日本では1イニングという考え方だけど、自分は何イニング投げてもいい」という考えをこれまでも明かしている。剛腕ストッパーは開幕から15試合に登板して1勝0敗、8セーブ、防御率1・80。現在10イニング連続ノーヒットに抑えるなど期待通りの安定感を発揮している。ただ、首脳陣が長いシーズンを見据えているため、イニング途中や、1イニングを超える登板はまだない。

 今日からの広島2連戦、あるいは日程に余裕のある交流戦(20日開幕)ならば、8回に「呉昇桓」がコールされてもおかしくない。福原不在の窮地に鉄腕守護神が立ち上がる。【鈴木忠平】