<イースタン・リーグ:日本ハム2-4巨人>◇22日◇鎌ケ谷

 剛腕が代名詞の剛速球とともに帰ってきた。巨人沢村拓一投手(26)が、昨年11月3日の楽天との日本シリーズ第7戦(Kスタ)以来、200日ぶりに実戦復帰。最速151キロをマークし、3者凡退に抑えた。状態に問題がなければ、次回登板は27日からのイースタン・リーグのヤクルト3連戦(戸田)で3イニングの予定。6月中旬の1軍復帰を目指す。

 6回、マウンドに向かう沢村の背中を、一筋の光が差した。予報では午後3時から雷雨だったが、剛腕の復活を待っていたかのように、太陽の光がマウンドを照らした。「やっぱり試合っていいなぁと。支えてくれた方々に感謝したいです」。昨年11月3日の楽天との日本シリーズ第7戦(Kスタ)以来、200日ぶりの実戦に心も晴れた。

 衝撃的だった。6回1死、谷口への3球目に最速の151キロを計測した。全10球中、8球が直球で149キロを2度マーク。原監督が「スターターとして、日本で1、2を争うスピードを持っている」と評した通りの投球だった。16日のシート打撃では最速141キロ。「もう150キロは出ないんじゃ…」とのぞかせた不安を、アドレナリン全開の剛速球で振り払った。

 苦難の連続だった。キャンプ中に右肩痛で2軍降格。実戦から離れた。胃腸炎にも襲われ、96キロだった体重は93キロに減った。食事、トレーニング、サプリメントを摂取しても、戻らなかった体をよみがえらせたのは、野球人の本能だった。実戦が見え始めた5月中旬から一気に3キロ増。準備は整った。

 1軍昇格への青写真も、見え始めた。状態に問題が無ければ、次回は27日からのイースタン・リーグのヤクルト3連戦で3イニングを予定。早ければ、6月中旬の1軍復帰を目指す。「2軍で結果を出して、少しでも早く1軍に呼んでもらえるように頑張りたいです」。この日、まばゆく差し込んだ光は、復帰への道を明るく照らす道しるべに変わる。【久保賢吾】<沢村復帰への道のり>

 ▼2軍降格

 宮崎キャンプ中の2月3日に右肩痛の違和感で2軍降格。

 ▼スロー再開

 2月9日に約10メートル先のネットを目がけ、ボールを投げた。

 ▼投球練習再開

 2月21日にブルペン投球を再開。立ち投げで21球投げた。

 ▼一時離脱

 4月5日に胃腸炎を発症し、自宅で静養。9日に復帰した。

 ▼フリー打撃

 5月7日に実施。井野、奥村を相手に37球投げ、安打性は2本だった。10日にも亀井を相手に行った。

 ▼シート打撃

 5月16日に亀井らを相手に実施。11打数2安打1四球だった。