16試合連続で本塁打から遠ざかる日本ハム中田翔内野手(25)が30日、シーズン中は異例の打ち込みを行った。東京遠征から空路で北海道に戻り、札幌ドームでの全体練習に参加。フリー打撃で45分間、120スイングとバットを振り込んだ。現在、4番定着の12年以降では最長となるノーアーチ地獄に苦しむ。今日31日の阪神戦(札幌ドーム)へ、浮上のきっかけをつかむため一心不乱に打ち続けた。

 一切、打撃ケージを離れなかった。アップ終了後の午後2時55分にフリー打撃を開始。終わったのは同3時40分だった。45分間で計120スイング、13本の柵越え。たっぷり打ち込むと、大粒の汗を流しながらグラウンドを後にした。

 中田

 何かの、きっかけになればと。打つメンバーも少なかったし、時間もあったからね。

 この日は、東京から空路移動後の練習。野手は練習メニューが自己判断に任された。フリー打撃を行ったのは中田以外に大谷、鵜久森、飯山の3人。好きなだけ打てる好環境が整っていた。モヤモヤを振り払う時間に充てた。

 7日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)を最後に16試合、70打席も本塁打が出ていない。不動の4番となった12年以降では最長ブランクになる。

 中田

 しっかりとしたタメだったり…。自分の中の感覚だからアレだけど、早く取り戻さないと。

 苦悩している。安打は出るのに、打球が上がらない。ノーアーチ中の16試合で無安打は5試合だけ。打率は2割9分8厘。調子はいいが、何かが足りない。21日中日戦後には、ふがいない心境を吐露していた。

 中田

 欲張りかもしれないけど、ヒットを打っても喜べない。

 苦しみは本塁打でしか取り除けない。今日31日からは本拠地で阪神2連戦。「チームが勝てばいい」。本音はきっと、オレが打って決める-。言葉にはしないが、秘める思いをぶつける。【木下大輔】

 ◆12年シーズン以降の中田の長期本塁打ブランク

 12年は15試合が2度。1回目は4月15日楽天戦(札幌ドーム)の第5打席に3号を放ち、5月4日オリックス戦(同)の第2打席で4号を打つまで66打席ノーアーチ。5号が同28日巨人戦(東京ドーム)の第3打席に飛び出すまで再び66打席本塁打がなかった。13年は最長で10試合。7月13日ロッテ戦(札幌ドーム)の第2打席で22号を放ち、8月1日ロッテ戦(QVCマリン)の第3打席で23号を打つまでの46打席がワーストだった。レギュラー奪取後の4番定着前は、11年に96打席(23試合)で本塁打なしがある。