普段は寡黙なソフトバンク摂津正投手(32)が2日、珍しく強い気持ちを口にした。

 「勝たないと何しに帰ってきたかわからないんで」

 明日4日巨人戦(ヤフオクドーム)で先発。右肩筋疲労で離脱後、約1カ月ぶりに戻るマウンドで必勝を誓った。相手は交流戦7勝3敗で首位。チーム打率は12球団で下から2番目の2割2分3厘と湿っている。だが「(相手)投手がいいから。金子(オリックス)と則本(楽天)だからでしょう。もともと地力があるし、強いチーム。しっかり投球しないと」と、目の前の数字に惑わされなかった。

 この日はブルペンで56球投げ込み最終調整。見守った加藤投手コーチは「よかった。表情もよかった。今日見る限りでは心配ない。離脱前より制球もキレもよかった」と納得顔だった。

 最近5戦で4試合延長を戦っただけに、中継ぎ陣の疲労が心配される。摂津は「投げられるなら長いイニングを目指したい」と話す。首脳陣は今後のためにも余力を残し100球程度での交代を予定しているが、それを上回る投球を誓う。

 巨人戦の先発は2年前の1度だけ。12年5月19日に先発し6回2失点で負け投手になった。中継ぎ4試合と合わせてもまだ白星がない。しっかり肩を休めたエースが、万全の状態で巨人から初白星を挙げ、チームを波に乗せる。【石橋隆雄】<摂津の経過>

 ◆変調

 5月9日西武戦(北九州)先発も今季最短の5回で降板。7安打4四球4失点。

 ◆抹消

 翌10日に出場選手登録抹消。12日、福岡市内の病院で検査し「右肩の筋疲労」の診断。

 ◆リハビリ

 13日に西戸崎合宿所で開始。いきなり40メートルのキャッチボール。20日にはブルペンに入り48球投げた。

 ◆実戦復帰

 28日のウエスタン・リーグ阪神戦(雁の巣)に先発。4回2安打1失点。31日に1軍合流した。