<ウエスタン・リーグ:阪神1-0ソフトバンク>◇13日◇甲子園

 肋骨(ろっこつ)骨折などで離脱していた阪神西岡剛内野手(29)が、ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で実戦復帰した。1番DHで先発し、負傷した3月30日巨人戦以来、75日ぶりのプレー。感傷に浸る間もなく、3打数無安打に終わると勝ち気な西岡らしさ全開だ。

 「感覚は全然です。試合に出ている以上、勝負師として打てなければムカつきます。周りは打席に立ったことが重要と言うけど、僕は結果が出なくて悔しい」

 1回は東浜のスライダーに空を切り最後は外寄り直球に空振り三振。3回も変化球攻めで3球で空振り三振した。6回には直球に当てて二ゴロ。実戦勘を取り戻す段階に入ったばかりだが確かな再出発だろう。

 「僕のなかで調整と思ってやっていない。実戦で結果を残せなければ1軍に上がれない気持ちでやっている。1、2打席は初めて野球をやっている感覚。プロってすごいなっていう…」

 甲子園の左打席に向かうと温かい拍手が起こる。登場曲も鳴り響く。関東遠征中の和田監督は今後の復帰プランを明かした。

 「ブランクは長いから、最低でも(2軍で)20打席は立たせたい計画をしている。この時期だから。開幕じゃないし、ある程度仕上げてからのほうがいい」

 今日14日の同カードも指名打者で出場予定。守備にも就き、最低でも2軍戦で6試合程度、プレーする見通しだ。西岡は「自分にウソをついて1軍に上がるのは嫌」と言う。結果にこだわり、1軍昇格のリミットを設けない姿勢だが、リーグ戦再開の27日中日戦(甲子園)からの戦列復帰も現実味を帯びる。二塁守備中に福留と激突し、救急車で搬送される深刻さだった。鼻骨骨折、左肩鎖関節脱臼、肋骨骨折…。重傷からはい上がる背番号7が、力強い1歩目を刻んだ。【酒井俊作】