<中日2-6DeNA>◇2日◇富山

 もう代役とは言わせない。DeNA筒香嘉智内野手(22)が自身最多5打点の活躍でチームを5月13日以来の単独5位に導いた。1点ビハインドの5回に逆転の2点二塁打を放つと、8回には満塁で走者一掃の三塁打。負傷離脱中のブランコに代わっての4番で猛アピールし「4番ということに気負わず、打席に入ってます。今はブランコがいないだけ。チームの勝利に貢献できたことが一番うれしい」と、富山のファンを沸かせた。

 5年目の覚悟がある。6月17日に右太もも張りで戦線離脱。今季の目標には「レギュラーで144試合出場」を掲げていたが、自ら首脳陣に痛みを告げた。「自分は我慢強いほうなんですが、今回は厳しかった。調子のいい選手がいる中で、こんな状態で我慢して試合に出るのは迷惑をかける」。翌18日に登録抹消。勝つための最善策を自身の目標より優先させた。その決意は「得点圏では特に気持ちが入る」という言葉だけでない、12球団トップの得点圏打率(4割6分7厘)にも表れる。

 これで昨季から続く地方球場での連敗は6でストップ。試合前に「主軸が外国人ばかりではね。手弁当で戦力を作りたい」と話していた中畑監督も、筒香の二振りをたたえた。「結果を出し続ければ代役ではなくなる。結果が(4番の)雰囲気をつくっていく」と、さらなる爆発に期待を込めた。有言実行の勝負強さをみせる筒香。富山と言えば薬売りだが、ブランコ欠場時の“常備薬”とは言わせない。【佐竹実】