<中日5-5ヤクルト>◇14日◇ナゴヤドーム

 中日山本昌投手(49)が“最年長KO”を食らった。ヤクルト戦に自身の最年長出場を更新する49歳1カ月で先発したが、4回6安打5失点で降板。特に2度追いついてもらった直後の4回は、死球や暴投で傷口を広げ、3度目の勝ち越しを許す独り相撲だった。今季初先発の5日阪神戦で最年長勝利を挙げた姿とは別人だった。

 山本昌

 1人でバタバタして自滅ですね。何やってるんだろって感じ。あとは若い投手がよくつないでくれたけど、僕がしっかり投げていれば…。勝ってほしいと応援したけど、こういう結果で申し訳ないです。

 見せ場なしの68球にがっくりだった。勝てば前回から9日分、最年長勝利を更新できた。その時を期待したナゴヤドーム観衆は、前日比約2500人増の3万人超え。だが「ブルペンから高かった」(友利投手コーチ)不安は的中。谷繁兼任監督も「全然ラインが出ず、スクリューも真っすぐも引っかけていた」と制球ミスを残念がった。

 だがナインは“昌さんのために”と燃えていた。中心は4番森野。初回と3回裏に2打席連続タイムリー。8回には09年以来5年ぶり3度目となる3戦連発の13号ソロで同点だ。「黒星はつかない方がいい。僕も負けたくない」。この日3打点目の1発で、浜崎真二(阪急)が1950年に48歳10カ月で喫した最年長黒星の更新を阻止した。投手陣も後を受けた若松、岡田、又吉、福谷、祖父江が0のバトンをつなぎ、12回執念ドローに持ち込んだ。5投手とも、生まれた時には山本昌がバリバリエースという超若手世代だ。

 山本昌

 今日は全然コントロールが決まらなかった…。しっかり修正します。

 初回に雄平から奪った空振りで更新した最年長奪三振が、せめてもの意地か。前回は苦境のチームを救った左腕が、今回は救われた。今日15日からの横浜遠征には行かず、ナゴヤ球場で調整予定。49歳のリベンジに乞うご期待だ。【松井清員】