<ヤクルト1-9巨人>◇2日◇神宮

 巨人菅野智之投手(24)をアクシデントが襲った。ヤクルトとの今季最終戦に先発。1回から体の不調を訴え、2回38球で降板した。球団の第一報は「腰の違和感」も、力感あふれる本来の姿から遠く、肩、肘など上半身に異変が生じた可能性もある。最多勝、勝率、防御率の「3冠」も視野に入っていたが暗転。秋の決戦に向け不安を残した。

 3回のマウンドに、菅野の姿はなかった。2回を投げ終え、わずか38球。1回から感じた体の異変は限界だった。2回。先頭の雄平を迎え、阿部がマウンドに向かった。2死から中村に安打を浴び、川口投手総合コーチもマウンドに走った。2回に投じた直球は多くが130キロ台だった。

 いつもの躍動感がなかった。マウンドで跳ね上がるように決めるフィニッシュが影を潜め、力を逃がすかのように必死に投球した。少し苦しそうな表情を浮かべ、額にはじっとりと汗がにじんだ。球団からの第一報は「腰の違和感」だが、投球フォームやボールなどから推測すれば、肩や肘など上半身に異変が生じた可能性もある。

 今日3日にも、正式な診断結果が出るとみられる。原監督は「ちょっと投げない方がいいだろうと。我々は(登板前は)万全だと思っていた」と話した。川口コーチは「明日の状態を見てだね」と説明したが、出場選手登録を外れる可能性が高い。今季は、右手中指の腱(けん)の炎症で約1カ月2軍で調整。またもアクシデントに襲われた。

 防御率1位の座はほぼ手中に収めたが、日本一奪回を目指すチームにとって、大きな不安が残った。チームトップの12勝を挙げた右腕は、ポストシーズンでも大黒柱として期待される。短期決戦に向け、菅野の今後が心配される。