<セCSファイナルステージ:巨人4-8阪神>◇第4戦◇18日◇東京ドーム

 屈辱の敗退だ。巨人は阪神に大敗し、4連敗で3年連続の日本シリーズ進出を逃した。先発の小山が、マートン、福留、西岡に本塁打を浴び、2回もたずにKO。打線は安打を集めたが決め手に欠いた。柔軟な用兵と戦術でリーグ3連覇を果たしたが、繰り出す間もなく短期決戦を終えた。大きな課題を抱えて14年シーズンが終了した。

 4連敗で巨人の14年が終わった。原辰徳監督(56)は「敗軍の将、何とか…というね」と、ゲームそのものについては多くを語らなかった。「1試合、1試合、死力を尽くして戦ったが、力及ばず。選手は最後の最後まで頑張ってくれた。投打のバランスで、相手が上回った。うまくかみ合わなかった」と総括した。

 力負けした。原監督は「ここから長丁場になる」と選手を鼓舞して送り出した。先発小山は大舞台にのまれ、ボールがうわずった。1回マートン、福留。2回の西岡。お家芸だったはずの本塁打攻勢で6点を奪われ、一気に劣勢に立たされた。打線は1本が出なかった。1番に起用した坂本が大ブレーキ。2回1死一、三塁で、初球を打って遊ゴロ併殺打。4、6回の得点圏でも外角を徹底され、空振り三振に倒れた。

 日本シリーズに進む力がなかった。今季は開幕から打線が低調で、やりくりを余儀なくされた。優勝後は東京にとどまり調整を重ねたが、CSファーストステージを勝ち上がってきた相手とは、スイングの力強さも、投手陣の仕上がりも差があった。どんなに強いチームでも、過渡期は必ず訪れる。軸の選手は年齢層が上がり、この日のスタメンで20代は坂本、長野、小山の3人だけ。軸を脅かす若手の台頭も乏しい。今の現実を、阪神がこれでもかと教えてくれた。

 原監督は真の力を分かっていた。勝ち上がりを果たせなかった他チームは今、来季に向けて練習を重ねている。「もう戦いは始まっている。勝っているから、余計に強く意識しないといけない。チームは衰えていくものだから」と話していた。伝統の一戦に4連敗した現実に、目を背けてはいけない。立て直しには大きなエネルギーが必要になる。【宮下敬至】