<パCSファイナルステージ:ソフトバンク4-6日本ハム>◇第5戦◇19日◇ヤフオクドーム

 最後も吉村裕基外野手(30)のバットが増井のフォークに空を切って、試合が終わった。ソフトバンク打線が毎回の18三振を喫した。プレーオフ、CS史上ワースト。レギュラーシーズンを含めても楽天田中に完封された11年8月27日以来の「球団ワーストタイ記録」となった。

 幸先は良かった。2回に大谷を攻略。無死満塁から吉村が左翼への2点適時打など、直球を狙い打って4点を奪取した。「いい先制点になったと思ったけど…」と吉村。その後は変化球主体に変化した配球に対応が遅れた。5回無死一、二塁の好機を逃すなど、フラフラだった二刀流右腕に7回まで続投を許した。「追加点を取れなかったことが反省点」と藤本打撃コーチ。3回以降の9イニングで3安打しか出なかった。

 図らずも、レギュラーシーズンに続き、最終戦にチームの運命が決まる。先発の大隣をはじめ、投手陣を打線が援護するしかない。選手会長の松田は「明日で決まる。勝つか負けるか。分かりやすい。持っている力を全部出す」と前を向いた。小川ヘッドコーチも「自分たちの力を出せたら勝てる」とキッパリ。まずは先制点を奪うことに、全精力を注ぐ。【大池和幸】