広島東出輝裕内野手(34)が来季、選手兼任で2軍野手コーチ補佐を務めることが29日、決まった。緒方体制のコーチングスタッフが発表され、将来の幹部候補生に異例の肩書が用意された。1軍では選手専任の予定。鈴木球団本部長は「今までもファームにいる時は若手にアドバイスしてくれている。来年は1軍にいてもらわなければ困るけど、2軍にいる時は遠慮なく(指導を)やってくれよ、ということ」と説明した。

 13年2月の紅白戦で左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、2年連続で1軍出場ゼロ。今季はウエスタン・リーグ49試合で打率2割7分2厘。プレーヤーという立場ながら若手野手の人望が厚く、これまでも2軍では堂林や鈴木誠らに経験や技術を伝えてきた。球団が的確な指導力にも期待を寄せ、本人も快諾した形だ。

 1軍での選手兼任コーチは球界にも少なくないが、2軍では珍しい。広島では04年に選手兼任で2軍バッテリーコーチを務めた瀬戸輝信以来となる。鈴木球団本部長は「しっかりした考えを持っている」と、来季17年目を迎えるベテランを評価する。あくまで3年ぶりの1軍復帰を最優先させながら、後進の育成にも励む。【佐井陽介】