巨人が、国内フリーエージェント(FA)権を保有しているヤクルト相川亮二捕手(38)、DeNA金城龍彦外野手(38)について、獲得を念頭に置いた調査を行うことが30日、分かった。来季のチームつくりを土台から見直す中で、経験豊富な両ベテランを再建の核として着目した。FA交渉解禁を受け、速やかにアタックする可能性が高い。

 巨人が質実剛健なFA補強戦略を立てた。来季プロ21年目のヤクルト相川、同じく17年目のDeNA金城に関し、権利を行使するか否かの決断に注目している。30日現在、2人は態度を明らかにしていない。

 日本一奪回へ、是が非でもチームの土台を新たに組み直したい。不動の正捕手だった阿部が来季、一塁手にコンバートされることが正式に決まった。ルーキー捕手小林は成長著しいが、重圧のかかる巨人のマスクをシーズン通して預けるレベルには至っていない。球団は相川について、堅実なリード、打撃に加え、練習に取り組む真摯(しんし)な姿勢を含め高く評価している。捕手としてはもちろん、小林の手本として、さらにはチーム全体にも大きな波及効果があると踏んでいる。

 金城も相川と同様で、プレーそのものを超えたプラスの効果があると評価している。黙々と練習し、自己犠牲に徹する職人。代打での今季打率は2割5分6厘も、11年から3年間は3割を超えている。手薄な代打の切り札として力を発揮できるとみている。今季推定年俸は4000万円で、補償が発生しないCランクという利点もある。

 両選手が権利を行使するとなれば、速やかに獲得に乗り出す準備は整っている。

 ◆相川亮二(あいかわ・りょうじ)1976年(昭51)7月11日、千葉県生まれ。甲子園経験はなく、東京学館から94年ドラフト5位で横浜(現DeNA)入団。日本代表は04年アテネ五輪、06、13年のWBC代表に3度選出。08年オフにヤクルト入り。182センチ、94キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は1億1000万円。

 ◆金城龍彦(きんじょう・たつひこ)1976年(昭51)7月27日、大阪府生まれ。近大付で甲子園出場。住友金属から98年ドラフト5位で横浜入団、野手に転向。00年に首位打者、新人王を獲得。ゴールデングラブ賞は05、07年に2度獲得。177センチ80キロ。右投げ両打ち。今季推定年俸は4000万円。