ロッテからFA宣言した成瀬善久投手(29)が12日、今日13日から解禁されるFA交渉を前に6年連続開幕投手にかける思いを口にした。「そこは狙いにいこうと思っている。いかなくちゃダメだと思っている」と、どこの球団に移籍しても開幕投手を目指して調整する構えだ。ロッテでは今年まで5年連続で務めており、移籍先でも大役を任せられれば6年連続になる。

 開幕投手を狙いにいくことは、権利の行使を決めた時の覚悟の表れでもある。「FAしたからには、移ったチームで3番手、4番手の投手でいいとは思わない」と、新たなチームでも投手陣の軸となることを自分に義務づけたことを明かした。

 現在は都内の施設でウエートトレーニング中心の練習を黙々とこなしている。昨年は左肩痛に苦しめられ、復帰した今季も、本来の姿ではなかった。ここ2年間は、規定投球回にも到達せず、じくじたる思いがある。「普通にやれば2桁は勝てる。でも、その普通にやるということが難しい」と怖さも知った。悩み抜いた上でのFA宣言だからこそ気持ちを奮い立たせる。エースのまま、移籍しようとしている。【竹内智信】