<2014SUZUKI日米野球:日本代表4-0MLB>◇第3戦◇15日◇東京ドーム

 若き2人のアーチ競演が3連勝を呼び込んだ。まずは坂本勇人内野手(25=巨人)だ。2回1死二塁から先制2ラン。初球、やや内角高めのカットボールに肘をたたんで回転した。バットに乗せるように運んだ打球は持ち味の高い放物線を描いた。高度なテクニックでメジャーに対抗した。

 坂本

 結果として2ランになって良かった。いい角度で上がってくれた。ファンの皆さんにいいところを見せられて良かった。

 メジャー通算83勝を挙げているロイヤルズ右腕ガスリーの出はなをくじいた。試合後のインタビュー中には通りすがりに「ナイスホームラン」と声をかけられ、うれしそうに笑った。

 日米野球前の巨人の秋季練習では、毎朝午前7時30分に球場入り。ウエートトレーニングをこなしてきた。「やるからにはガチンコ。3割を打ちたい」。日本が14安打8得点した第2戦は4打数無安打。汚名返上の一撃だった。

 4番中田翔内野手(25=日本ハム)も3回に続いた。1死一塁から左中間席にライナー性を突き刺す2ラン。こちらはメジャー顔負けのパワーで沸かせた。

 中田

 最初の2試合は全然貢献できていなかった。自分自身に腹が立っていた。甘い球が来たら思い切って自分のスイングをしようと思っていた。

 侍ジャパンで初めて4番に座った昨秋の台湾遠征は13打数2安打でノーアーチに終わった。4番で待望の1発。そして日米野球24年ぶりの勝ち越しに導き「勝ち越せたことは素直にうれしい」と喜んだ。

 ともに25歳。学年は坂本が1つ上だが、3年後の17年WBCでは主軸と期待される。今回の代表発表でも小久保監督が最初にアナウンスした6選手に含まれていた。日本屈指の技術とパワーを誇る2人が、世界一奪回に向け確かな道筋をつけた。【大池和幸】