パ・リーグに散らばった元獅子たちを封じる!

 西武田辺徳雄監督(48)が6日、地元山梨・富士吉田市内で毎年恒例の野球教室に参加した。雄大な富士山をバックに集まった地元野球少年たちに熱血指導。同市出身者初のプロ野球監督で地元からの大きな期待を背負う指揮官が、来季の浮上へ向けた方法論を説いた。

 「意識しすぎちゃだめだよね。よそ行きの野球をやらないこと。それだけ」

 自然体を言い聞かせながらも、まず警戒したのが西武も加わった争奪戦の末、オリックス入りが決まった中島だ。かつての愛弟子を「インコースに弱点がある。追い込まれるとバットを短く持つんだよね。いやらしさもある」と分析。さらに「デッドボールの1つでもいこうか」と徹底した内角攻めで敢行する可能性も示唆した。開幕カードでの対戦をにらみけん制した。

 今季の覇者ソフトバンクに新加入した松坂にも“口撃”を仕掛けた。ルーキーイヤーの1年間をともにプレーした指揮官は「あの当時のキレはもうないでしょう」とニヤリ。ベンチもソフトバンク工藤新監督、楽天大久保新監督、2年目のロッテ伊東監督と元西武勢の名前がずらりと並ぶ。互いの手の内は知り尽くしている面々だが「工藤さんは今年が初めてだから、どんな野球をするのかは分からない」と口を閉ざした。本家本元としての意地とプライドをかけた戦いが待ち受ける。【為田聡史】