ロッテ涌井秀章投手(28)が8日、来季の開幕投手に向けて、並々ならぬ闘志を燃やした。QVCマリンで契約更改し現状維持の2億2000万円(金額は推定)でサインしたが、気持ちは現状維持ではなかった。「自分が柱になるつもり。開幕投手というのは1年の始まりの大事な試合。他にも狙っている人はいるでしょうが、そこは譲りたくない」と、強気に言い切った。

 モチベーションをかきたてることがある。開幕戦の相手、ソフトバンクに松坂の入団が決まった。横浜高と西武時代の先輩は、メジャーに行ってからも、オフにはゴルフや食事に誘ってくれた。ソフトバンク入団が決まりそうだった時はメールで「本当ですか?」と問い合わせたそうで、「近々、24時間以内に会うかもしれません」と親密さもうかがわせた。

 伊東監督と工藤監督の考え次第だが、理想は「自分が開幕投手となって、松坂さんにも開幕に投げてもらえれば」と願う。思わぬ形で実現の可能性が出てきた大先輩との投げ合い。「憧れの人と投げ合って勝つのは、チームにとっても自分にとってもいいこと」と、松坂に勝つことで見えてくる景色を楽しみにした。【竹内智信】