ソフトバンクが韓国サムスンのリック・バンデンハーク投手(29)と2年契約で合意に達したことが9日、分かった。09年WBCにオランダ代表で出場した196センチの大型右腕で今季韓国リーグの奪三振王。松坂大輔投手(34=メッツ)に続く、大型補強を実現した。工藤新監督が目指す日本一連覇に向け、先発陣の層は厚くなった。

 ソフトバンクがまたもや大型補強に成功した。韓国サムスンのバンデンハークと2年契約で合意したことが判明。近日中にも正式契約を交わす予定だ。

 オランダ出身の右腕は、07年にマーリンズでメジャーデビューを果たした。オリオールズ、パイレーツと移籍し、メジャー通算8勝を挙げた。09年には同国代表として、WBCにも出場。13年からは活躍の場を韓国に移し、サムソンで2年間プレー。今年は13勝を挙げ、最優秀防御率、奪三振の2冠で韓国シリーズ制覇に大きく貢献した。196センチの長身から角度のある投球が持ち味。150キロを超す速球に、スライダー、チェンジアップなどの変化球が武器だ。球界関係者は「試合をしっかりと作れる先発投手。長身だが、安定感のある投球を見せる」と高く評価する。

 ソフトバンクは今オフの課題を先発陣の強化に掲げ、バンデンハークの調査を水面下で進めてきた。日本の複数球団が関心を示していたが、争奪戦を制し、契約合意に至った。5日には松坂の入団会見を開いたばかり。本格派右腕の連続獲得で、投手力アップは確実だ。

 来季の先発ローテーション争いが楽しみになってきた。松坂、バンデンハークの新戦力に、エース摂津や難病から復活した大隣、移籍2年目の中田やスタンリッジ、武田ら若手組もいる。首脳陣も、実績のある佐藤、吉井両コーチを招いた。投手力向上を鮮明に打ち出したチーム作りを進めてきた。理論家の工藤新監督は現有戦力の掘り起こしにも力を注ぐ方針で、投手王国の形成に期待がかかる。

 打線は12球団ナンバーワンと言われる。これに投手力がミックスされれば、優勝への道が近づく。そのための外国人補強だ。日本シリーズの連覇は、90年~92年の西武を最後にない。偉業達成へ、ソフトバンクが本気度を示した。

 ◆リック・バンデンハーク

 1985年5月22日、オランダ・アイントホーフェン生まれ。02年にマーリンズと契約してプロ入りし、07年にメジャーデビュー。メジャー通算50試合、8勝11敗、防御率6・08。13年からは韓国サムスンでプレーし、2年間で49試合、20勝13敗、防御率3・55。196センチ、98キロ。右投げ右打ち。