【ホノルル(米ハワイ州)17日(日本時間18日)=石橋隆雄】出てこい新戦力!

 ソフトバンク工藤公康新監督(51)が来春キャンプ、オープン戦で若手に最低3度のチャンスは与える考えを明かした。さらに、宮崎キャンプではファームに精力的に足を運ぶ考えもみせるなど、工藤チルドレンの誕生へ力を注いでいく。

 常夏の島の青い空と海を気持ちよさそうに眺めながらも、新監督は野球のことを考えていた。ハワイで名球会のテレビ対談収録に参加した工藤監督が、来春の宮崎キャンプについて言及した。

 「(日程の)半分いかないうちに実戦に入る。選手を見極めたい。俺はチャンスは1回じゃない。2、3回与えてやるのが一番。彼らにとって見てもらう機会は大事」

 若手に複数の機会を与え、自らの目で判断する。今季、野手陣はほぼ固定メンバーで戦った。投手陣も先発こそ固定できなかったが、リリーフ陣は安定していた。豊富な資金力をバックにした巨大戦力。それでも、2年連続日本一にはチームの活性化が必要だ。

 「入る余地がないのはモチベーションが下がる。甘いことは言わない。より競争しないといけない」

 新戦力を発掘するため、自らは巡回する。「1軍はコーチに任せているので、2、3軍のブルペンを見ることも多いんじゃないか。(ファームでも)みんなすごい球を投げている」。選手全員が同じ敷地内で行う宮崎キャンプの“地の利”を生かせば、ファームなどを含めて全投手の投球をチェックすることが可能だ。

 先月27日に西戸崎合宿所を視察した時には、入団して2年間1軍登板のない左腕伊藤祐のブルペン投球を見てうなった。ファームもウエスタン・リーグ3連覇中。現在プエルトリコ留学組には、まだチェックしていない左腕笠原もいる。野手に視線を移せば、打撃が伸びてきている塚田らもいる。自らの足で、さまざまな原石を見つけ出すつもりだ。そんな工藤チルドレンの台頭へ、辛抱強くチャンスを与える。