チョーノ、カマ~~ン!

 巨人原辰徳監督(56)が、今オフに右肘、右膝の手術を行った長野久義外野手(30)の来季開幕戦(15年3月27日、DeNA戦)でのスタメン出場を期待した。21日、20回目を迎えた秋田県訪問を実施。王道スタイルで4連覇を目指す「G1クライマックス」戦線に、不死身の長野は欠かせない存在であることを強調した。

 粉雪の秋田で、原監督が燃えたぎっていた。オフ恒例の県内訪問で元気を注入してから、高い沸点のまま来季についての話題になった。「長野は、ほおの骨が陥没していても頑張る。開幕スタメンに名を連ねてほしいと思っている」と言った。骨がへこもうが、膝がパンクしようが休まないレスラー。戦いのワンダーランドと化す「3・27闘強導夢」、DeNA戦でコールを受ける姿を描いた。

 リーグ4連覇の船出となるビッグマッチにロックオンした。「2人きりで彼と話すと、頑張りすぎてしまう部分がある。第三者の話を入れながらスケジュールをつくる」と、キャンプの別メニュー調整を示唆してから「長野は特別だから」と続けた。ライトゴロ、悪球打ちにフェンス際のトリック。頑健さに加え、多彩な技を繰り出す引き出しを認めている。「阿部、村田、杉内、内海に頼らないチームを作る」と公言してはばからない総帥にとって、キーマンとして欠かせない。

 プロレスをこよなく愛する原監督に朗報が届いた。先月末、故ジャンボ鶴田さんが米国プロレス殿堂入りに選出された。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木に次ぐ快挙だった。東京ドームと後楽園ホールを行き来して応援し合う間柄だった。「彼の試合はすごかった。相手の技を全て受けて、それを倍にして返す。相当、力の差がないとだめだ。できればわが軍は(技を)受けたくないな」。ならば答えは決まった。長野のケンカキック、いや先制パンチで倒れている相手に乗りかかるマウントポジションを奪う。王道の試合運びにはやっぱり、背番号7が欠かせない。【宮下敬至】

 ◆長野の頬骨折

 長野は11年春季キャンプのバント練習中、小野から左頬に死球を受けた。骨折し、陥没した骨を引き上げる手術までしていたが、当時の発表は「左顔面打撲」。死球の翌日にはネックウオーマーで患部を隠しながら、練習に志願参加した。同年8月の広島戦でも今村から死球を受け、同じ箇所を骨折。それでも4試合を欠場しただけで戦列に復帰した。