西武誠投手(20)が若獅子の先発候補になる。宮崎・南郷キャンプの4日、フリー打撃の投手として登板。昨年10本塁打を放った木村、正遊撃手を目指す熊代と対戦し、35球を投げて25スイングで安打性の当たり4本に抑えた。

 「球威を上げたい」とオフのテーマに掲げた右腕に対して、直球に強い木村は格好の試金石。初球は押し気味のファウル、2球目は内角へ見逃しのストライクを奪った。2巡目の対戦で外角低めの直球を左中間スタンドに運ばれて苦笑いする場面もあった。

 それでも「直球ばかり投げると感覚がおかしくなる」と冷静にカーブも投じる落ち着きも見せた。1月3日までオーストラリアでのウインターリーグに参加しており「試合から離れていないし、久しぶりの感覚はなかった」とメリットを生かした。

 西武では20歳前後の先発投手の登場が待たれる。渡辺SDは「高卒2、3年目ぐらいの選手がタイトル争いをするぐらい活躍できれば一気に活気が出る。オレも21歳で最多勝、工藤さん(現ソフトバンク監督)も22歳で最優秀防御率だった」と黄金時代を振り返る。岸も昨季、初タイトルとなる最高勝率を獲得したが今年は31歳を迎え、同い年の牧田とともに円熟期に入る。先発陣のバランスとしては23歳の菊池や誠の台頭がほしい。

 誠も野心を燃やす。「競争に年上とかは関係ない。結果でローテを奪えれば」。先発ローテの若返りで活性化を図る。【広重竜太郎】