巨人が虎4本柱に警報発令や!

 阪神自慢の先発4本柱、ランディ・メッセンジャー投手(33)、能見篤史投手(35)、藤浪晋太郎投手(20)、岩田稔投手(31)が4日、沖縄・宜野座球場のブルペンで今キャンプ初のそろい踏みを果たした。スコアラー2人態勢で宿敵の投手事情をチェックした巨人スコアラー陣は「このチームをやっつけないと優勝はできない」と危機感を募らせた。

 ブルペン横の報道陣用ベンチから、ひときわ鋭い視線を送る2人がいた。数十人の報道陣に紛れ込み、声を潜めて投球を見守る。「G007部隊」だ。今キャンプ初めて先発4本柱の全員がブルペン入りした正午すぎ。森中スコアラーはまず、藤浪を絶賛した。

 森中スコアラー

 とにかく、いい。ブルペンに入っても周りを気にしない余裕がある。去年、一昨年と比べると顔つきが違う。

 昨季の勝ち頭からメッセンジャー、藤浪、能見、岩田。確かに12球団屈指の先発陣容だ。中でもメッセンジャーは巨人戦4勝1敗でGキラーを襲名し、岩田も同戦に2勝1敗、防御率2・81と安定していた。14年の4本柱G戦成績は計21試合で7勝9敗、防御率3・76。それでも4人を恐れる理由は、昨年10月にある。

 虎はCSファイナルステージで4本柱を先発にたて、シーズン3連覇中の王者巨人に4連勝した。4人の同ステージ通算防御率は2・63を誇った。さらに今季3年目の藤浪にはまだ無限の伸びしろがある。森中スコアラーは「藤浪くんは何か(試み)をしようとしている。分析しないといけない」と警戒した。

 昨季は開幕カードの敵地東京ドーム3連戦で1勝2敗と負け越した。森中スコアラーが「開幕にたたけたのは大きかった」と振り返る通り、スタートは肝心だ。今季は開幕3カード目の敵地3連戦が初の直接対決。虎首脳陣はすでに開幕投手候補のメッセンジャー、藤浪の両輪ともつぎ込む可能性を視野に入れている。

 森中スコアラー

 絶対に4人のうち3人をぶつけてくると思う。(メッセンジャーと藤浪を)当てられるのは、どのチームでも嫌ですよ。そこに能見か岩田が入るんだから。でも、とにかくこのチームをやっつけないと優勝はできない。

 この日はヤクルト、オリックスを含む3球団が宜野座球場にスコアラーを配置。2人態勢は巨人だけだった。王者は本気で猛虎を丸裸にするつもり。激しい前哨戦の火ぶたが切って落とされた。【佐井陽介】