<全日本大学野球選手権:慶大4-1愛知学院大>◇9日◇準々決勝◇神宮

 慶大(東京6大学)のエース左腕がようやく目覚めた。竹内大助投手(3年=中京大中京)が相手の早打ちにも助けられ、わずか86球で1安打完投した。2回に味方2失策で1点を許したが、8回2死まで無安打の快投。今年の公式戦初完投に「投げ切れて良かった」と笑顔だ。

 今春リーグ戦では開幕から不振を極めた。いくら投げ込んでも、リリースの感覚がつかめない。5月上旬の東大戦後、江藤省三監督(69)から「(元巨人の)江川や西本とかプロもよくやった調整法だ」と1週間ノースローを命じられた。その間、同監督から一塁でノックを受け、三塁に投げる練習を繰り返した。

 江藤監督によれば「捕球して40メートル近い距離を投げるのに、いいかげんな体勢だと投げられない。ヒジの上げ方や体のひねり。球の回転も分かる。18メートルの距離に戻ったときに、しっかりした球になる」という。復調した竹内は、不振の打線を快投でカバーし「リーグ戦中は野手に助けられていたから」と満足そうだった。