これがドラ1の器用さだ。日米大学野球選手権(7月3日開幕、米ダーラム他)に向けた大学日本代表選考合宿2日目が18日、神奈川・平塚球場で行われた。今秋ドラフトで広島が1位指名を表明している明大・野村祐輔投手(4年=広陵)は、紅白戦に先発。立ち上がりに2安打されたが、米国打者を想定した変化球中心の配球で2回を無失点に抑えた。

 明大・野村は、脳内で米国のパワーヒッターと対峙(たいじ)していた。1回、直球を2安打された1死一、三塁。直球が打たれると見ると、カットボールで4番の芯を外し併殺に仕留めた。「テーマは変化球。米国の打者を意識して、チェンジアップや落ちるスライダーで打たせました」と話した通り、2回は緩急をつけて3人で片付けた。

 最速149キロの直球は、この日141キロ。リーグ戦後、右肩を休めてピッチングはほとんどしなかった。「全然でした。ひどかった」という調子でも、無失点だ。今秋ドラフト会議での1位指名を表明した広島苑田スカウト部長は「リーグ戦ほどの速さやキレがなくても、それなりの投球ができる。競合するかもしれないけど…」と、お目当ての逸材に熱視線を送った。

 プロの前でクレバーな投球を見せた野村も「評価していただいて、もっと認められるように頑張ろうと思った」と発奮。今日19日には、代表22人が決定する。3年連続の代表選出へ「国際試合は特別です」と心待ちにしている。