<福岡6大学野球:九共大7-6九産大>◇2回戦◇29日◇九産大

 九共大が涙のサヨナラ勝ちだ!

 九産大に最大4点リードを奪われたが、9回2死から同点に追いつき、満塁から対馬和樹捕手(4年=駒大苫小牧)が左翼へサヨナラ安打を放った。負ければ4位転落の瀬戸際での逆転勝利で、他力ながら優勝の望みも次週の最終週までつないだ。

 九共大がサヨナラ勝ちで優勝戦線に踏みとどまった。対馬の打球が左翼手の横を抜けると、大瀬良大地投手(4年=長崎日大)らナインが涙を流しながら歓喜の輪をつくった。

 大瀬良は「これがもともとの共立大の野球。懐かしい感じがしました」と目を赤く腫らした。負ければ4位転落。V逸どころか、3位以内も厳しくなるところだった。前日28日に自己ワーストタイの5失点で負けた大瀬良が6回途中から緊急登板。1点は奪われたものの、7回からは無失点投球で流れを呼び込んだ。

 「今日はボール自体は浮いていたが、気持ちです。1年の時のガムシャラな大瀬良大地です。1球1球魂を込めました」と、ドラフト1位候補は、知らず知らず気にしていた雑音をすべて忘れ、ただ腕を振った。

 前夜、4年生15人でLINE(携帯メール)を使って緊急ミーティング。2年春の神宮大会での画像などを貼り「土壇場で俺たちは強い」と気持ちを高めた。対馬は夜中に1人神社を訪れ50円のさい銭を入れ、必勝祈願していた。忘れていたがむしゃらさを取り戻し、九共大が、もう一波乱起こす。【石橋隆雄】

 ◆九共大の優勝の条件

 現在6勝2敗の1位九産大と5勝2敗1分けの2位福工大が最終週で対決。どちらかが2連勝すれば及ばず1勝1敗が条件。現在5勝5敗で3位に並ぶ日経大に九共大が連勝すれば、7勝3敗で九産大と並び、プレーオフへと落ち込むことができる。