<関西6大学野球:大商大5-0京産大>◇第7節3回戦◇15日◇南港中央

 大商大が42季ぶり11度目(旧リーグを含む)のリーグ制覇を、勝ち点5の完全優勝で飾った。今秋ドラフト候補の桂依央利(いおり)捕手(4年=太成学院大高)が先制打を含む2安打2打点。エース近藤大亮(同=浪速)は1回戦に続く連続完封でライバルを沈めた。大商大は明治神宮大会出場をかけ、11月2日に南港中央で開幕する関西地区大学野球選手権(日刊スポーツ後援)に出場する。

 春首位打者になり、ドラフト候補になり、秋の桂は優勝捕手になった。初回1死二、三塁で相手エース岩橋慶侍(4年=京都すばる)をとらえた。先制、中押しの2打点に近藤を完封リード。「思いきり投げられる」(近藤)と信頼で結ばれたバッテリーが、雨のマウンドで抱き合った。

 高校3年夏は今村信貴投手(巨人)をリードした。伸び盛りの捕手に必要だったのは、投手を引っ張る重責への自覚。下級生のころは相手の打撃成績もろくに見なかった桂に、富山陽一監督(48)は「捕手に大事なのは責任感」と説き続けた。勝敗に直結する1球の責任を取れるよう、頭も技術も磨いてほしかった。寸暇を惜しんで勉強するようになった桂は、中日、DeNA、ヤクルトなどの注目候補になった。「大事なことを教えてくれた監督を必ず胴上げしたかった」と笑った。この日、その夢をかなえた。【堀まどか】

 ◆桂依央利(かつら・いおり)1991年(平3)7月9日、大阪市生まれ。南百済小2年から捕手としてソフトボールを始め、中野中ではボーイズの「東住吉」に所属。太成学院大高(大阪)で1年秋から背番号5でベンチ入り。甲子園出場経験はなし。大学は1年秋からベンチ入りし、4年春は首位打者。遠投100メートル、50メートル走6秒5。185センチ、83キロ。右投げ右打ち。