<南東北大学野球:東日本国際大3-2日大工学部>◇第5週第1日◇10日◇開成山

 東日本国際大が5季連続の優勝を飾った。2-2で迎えたタイブレーク(1死満塁から攻撃)の延長11回裏、5番・及川慧斗外野手(2年=一関学院)が右前にサヨナラ打。日大工学部を破って8勝1敗とし、2位以下が3敗のため、今日11日の最終戦を残して24度目のVが決まった。5年連続10度目の全日本大学選手権の出場権も手にした。

 東日本国際大が、今春を象徴する試合で頂点に立った。8勝中5勝が1点差で、この日も相手5安打を下回る4安打。仁藤雅之監督(34)は「接戦の中で守り抜いた。よく頑張ってくれた」と選手をたたえた。延長10回に1点を勝ち越されても、その裏に追いつき11回のサヨナラ劇につなげた。

 打線が弱いだけ選手の意識は統一される。6勝目をマークしたエース大西健太(4年=九州国際大付)は「先頭打者を出さない意識を持った。今までにない経験」と話す。大量得点が望めないからこそ、投手が踏ん張る。仁藤監督は「大西は簡単に点を取られなくなった」と成長を認め、バックも堅守で盛り立てた。

 仁藤監督は「知らない相手だと地に足がつかない。様子を見てしまう」と過去の全国大会を反省し、3月下旬に5泊6日の沖縄キャンプを行った。札幌大、奈良学園大、琉球大などと7試合を消化。リーグ開幕前から情報の少ない相手と戦う全国を想定し、東日本国際大の野球に磨きをかけてきた。

 昨年1回戦で敗れた全日本大学野球。大西は「このチームが勝つなら接戦」と言い切った。大舞台でも“らしさ”を貫く。【久野朗】