<明治神宮大会:東農大北海道3-0京産大>◇15日◇大学の部1回戦◇神宮

 零封リレーを締めたのは、もちろん投手陣の“大将”だ。東農大北海道で3番手としてマウンドに上がった玉井大翔(たいしょう)投手(4年)が、初出場の京産大(関西5連盟第2)相手に、4回1/3を3安打無失点。ドラフトでヤクルト2位指名で先発のエース風張蓮(4年)が不調のため1回で降板する中、2人目の井口和朋投手(3年)が5回2死満塁と一打逆転のピンチを作ったところで救援し「焦ることはない。いつも通りという気持ちで投げた」と、空振り三振に。強心臓の名脇役が、道勢28年ぶりの歴史的勝利を演出した。

 球速140キロを超え、ぐんと伸びる直球が、絶好調の証しだった。打たれた安打3本は、すべて内野安打。力強い直球で、詰まらせた。京産大の山崎勇樹捕手(4年)は「外の真っすぐを狙っていても、ファウルになる。分かっていても、捉えられなかった」と、オホーツクから来た絶対守護神にお手上げだった。

 今秋、先発から救援に転向。風張とともに1年時から2枚看板として活躍し、数々の修羅場も経験してきただけに「僕はリリーフに向いている」と言う。北海道学生リーグでの通算18勝は、風張よりも2つ多い。樋越勉監督(57)は「守護神だし、やってくれると思っていた。これが、うちの必勝パターン」と、チーム初の初戦突破、さらには86年札幌大以来の道勢白星に大喜びで「今度は風張が投げてくれるでしょう」と次戦でのエース復活に期待を寄せた。4強入りを懸け、17日準々決勝で上武大(関東5連盟第1)に挑む。【中島宙恵】