雄星涙の国内表明、米大は日本一になって

- 菊池は会見終了間際で涙(撮影・山崎哲司)
国内プロか米大リーグ挑戦かで進路が注目されていた花巻東(岩手)の最速155キロ左腕、菊池雄星投手(3年)が25日、花巻市内の同校で記者会見し、日本の球団でプレーする希望を表明した。史上最多の日米20球団が面談に訪れた争奪戦。「日本一の投手になってから挑戦したい」と米球界挑戦は封印し、会見後は涙を流した。これまでドラフトでの指名回避を明言しているのは巨人、広島の2球団。29日のドラフト会議では史上最多の8球団以上が競合する可能性が高まった。
無数のカメラストロボを浴びた菊池が、会見冒頭に自ら口を開いた。国内球団か米国挑戦かで揺れ動いた18歳が、悩み抜いて出した結論は日本だった。
菊池 高校の時も日本一を目指してやってきたけど、あと1歩届かなかった。もう1度日本一を狙いたい。まだまだ自分のレベルでは世界で通用しないと思った。日本の方全員に認められてから、世界でプレーしたいと思いました。
最終結論は24日に佐々木洋監督(34)と両親を交えて話し合った際に確認した。面談前から国内を基本とし、真摯(しんし)に全球団の話を聞いた上で決断した。両親に気持ちを伝えたのは、23日の夜だった。寮の前に車を止めた父雄治さん(49)と車内会談を行った。「決めたから…」と短い言葉で打ち明け、そのまま車を降りた。
15分間の会見を終え、すべてを話し終えた菊池の目からは涙がこぼれた。夢の米国挑戦。面談のため、8球団の大リーグ関係者が集まった。「遠くから足を運んでいただいたのに、結論が国内となって申し訳ないと思う。たくさんの方に迷惑をかけました」。熱心に誘ってくれたスカウトらの顔が頭に浮かんだ。
だからこそ、1度決めた決意は固い。「まずは日本で」という軽い気持ちは捨てている。「メジャーはひとまず封印して、日本でと決めた以上は日本ですべてを出し尽くしたい。日本一のピッチャーになってから世界に挑戦したい」と誓った。
進路を国内と明確にしたことで、史上最多の争奪戦が幕を開ける。ドラフト会議で過去最多は89年新日鉄堺・野茂、90年亜大・小池の8球団。12球団OKの姿勢を見せる菊池には、現在9球団の競合が予想される。日本球界での目標は「進路のことで頭がいっぱいだったので考えられない」としたが、近い関係者やチームメートには「新人王」と約束している。日米20球団が参戦した未曾有の争奪戦は、29日に決着の時を迎える。【前田祐輔】
[2009年10月26日8時55分 紙面から]
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