10年に1人のウルトラボディーだ!

 阪神ドラフト1位慶大・伊藤隼太外野手(22=中京大中京)が11日、甲子園クラブハウスでの新人体力測定で逸材ぶりを証明した。懸垂で21回を記録。04年6巡目赤松(現広島)の18回、03年自由枠鳥谷の13回を超え、最近10年の新人では球団最高だった。制限時間30秒で素早く腹筋を繰り返す種目では36回を記録した。

 続木2軍トレーナーは「突出した選手は」と質問され、即答した。「伊藤隼太です。彼は強さとスピードがある。トータルで見ていいと思う。過去は個々の特長をもった人はいたが(伊藤は)強さもスピードもある。筋肉も柔らかい」。垂直跳びでも新人トップの69センチを記録。03年鳥谷に1センチ及ばないだけだった。視力検査では、静止したものを見る視力と動体視力の差が0・1。差が小さいほど、ボールをより確実に見られる。0・1はプロの一流野手と同レベルだ。

 ただ伊藤隼は、抜群の数字をたたき出しても「比べるものではないと思うので気にしていないです」と冷静だった。「(施設見学で)伝統のあるチームとあらためて感じましたが、実感はユニホームを着てからと思います。いい球場だし、2軍の施設、寮にもしっかりトレーニング施設があって、練習に申し分ないです」。満足することなく、10年に1人のウルトラボディーをさらに磨く。【益田一弘】

 ◆伊藤隼太の名前の由来

 「ウルトラマン」の主人公だったハヤタ隊員に由来する。父成人さん(54)によると三男の伊藤が生まれたとき、長男幸太さんが、テレビに映るウルトラマンを見てハヤタ隊員の名前を口にしたという。「ハヤタと聞いて、薩摩隼人の“隼”を思い浮かべたんです」。