中日岩瀬仁紀投手(34)が24日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4年契約でサインした。来季年俸は現状維持で、3年連続現役投手最高となる4億3000万円。2年目以降は成績に応じて変動する。FA移籍を封印した守護神は「生涯中日」を宣言するとともに、40歳になっても抑えを続ける「生涯ストッパー」の決意を示した。(金額は推定)

 3年連続で現役投手最高年俸となった。年俸変動制とはいえ4年の大型契約を結んだ。球団側の提示に納得して1発サインした岩瀬は晴れやかな表情だった。

 「去年は自分の中で今後どうしていくか、はっきり見えていなかった。今年ははっきり見えた。生涯中日?

 はい。そうです。それだけ信頼されている。しっかりやっていきたい」。

 FA権を取得した昨オフは権利を行使せずに単年契約を結んだが、今夏の北京五輪で中日に骨を埋める覚悟を決めた。「正直、海外に気持ちが向いたこともあったが今はない。海外の環境が合わないのもわかったし、中日は地元で、好きで入った球団。環境など1番合っている」と説明した。

 「40代ストッパー」も宣言した。45歳の工藤(横浜)、43歳の山本昌、40歳の下柳(阪神)ら40代の先発はいるが、抑えはいない。通算最多セーブ記録を持つ高津は39歳の昨年にヤクルトを戦力外となり、大魔神・佐々木も37歳で引退している。34歳の岩瀬には先の話だが「40歳になれば先発ということも考えるのか?」という質問に「逆にいないからこそ(40代でも)後ろでやれるということを見せたい。先発も抑えもきついけど、僕は職業慣れしていますから」と話した。

 「この10年は自分でも想像できないくらい頑張ってこられた。1年、1年を必死で、振り返らずやってきた。来年からは新しくスタートを切りたい」。

 99年の入団から10年を振り返り、来季を新たな出発と位置づけた。毎年、ノルマに設定するのが50試合登板、30セーブ。そうなれば連続50試合以上登板、連続30セーブのプロ野球記録更新となり、あと57セーブと迫った通算250セーブでの名球会入りも見えてくる。オレ竜の誇る鉄腕が新たなステージに突入する。【鈴木忠平】