摂津の一分、決まった!

 侍ジャパン代表候補のソフトバンク摂津正投手(30)がWBCの抑え役に浮上した。3日、日本代表の与田剛投手コーチ(47)が宮崎春季キャンプを視察。摂津、森福、大隣の代表候補3投手のブルペンをチェックし、昨季17勝で沢村賞の摂津をクローザー起用する可能性に言及。もう節分だけに、ええ方で使う!?

 摂津が侍ジャパンの守護神を託される可能性が出てきた。日本代表の与田投手コーチは、ソフトバンク王球団会長と並んで沢村賞右腕の投球を確認。「まだそこまで力は入れてないが、やはりバランスがいい」と調整の順調さを評価した。そして「WBCでは抑えのところに不安な部分がある。摂津はリリーフの経験があるし、さまざまな期待をしている」と、抑え役での起用に含みを持たせた。

 摂津はプロ1年目から中継ぎでフル回転し先発転向後はチームの柱に成長。社会人時代も含めて守護神の経験は少ないが、与田コーチは適性は高いと見ているようだ。大事な場面を任せるかと問われ「もちろん。摂津は先発でもリリーフでも素晴らしい経験を持っている。リリーフでタイトルをとってるし、そういう可能性が高い」と話した。

 山本浩二代表監督は守備力を重視。投手は球数制限もあるだけに、継投が鍵を握る。特に抑えは生命線となり、日替わりで起用する方針も示している。中日浅尾らも候補だが、摂津にも十分な実績があり1番手となっても不思議ではない。与田コーチは「最初から併用はない」とし、先発か救援のどちらかに固定する考えも明かした。

 侍投手陣の中でキーパーソンとなりそうな摂津は春季キャンプ第1クール最終日のこの日、WBC公式球で背番号と同じ50球を投じた。3日連続のブルペン入りに「予定通りです」ときっぱり。先発と救援で「調整の違いは特にない」と話した。与田コーチは15日から始まる代表合宿での選手選考に関して「判断材料があるとしたら体調」と、コンディションを見極めるつもりだ。【大池和幸】

 ◆摂津の救援適性

 プロ1年目の09年に開幕1軍入りすると中継ぎで大活躍。勝利の方程式「SBM」の一角として70試合登板の球団新記録をマークし、5勝34ホールドで新人王に。2年目も71試合に登板して2年連続で最優秀中継ぎのタイトルに輝いた。3年目から先発転向した。抑えとしては、過去4シーズンでセーブ記録は1度だけしかない。10年9月5日のオリックス戦の延長10回、馬原からバトンを受けて2点リードで登板。3者凡退に退けた。11年の中日との日本シリーズ第7戦では不調の守護神馬原に代わって9回2死から登板。和田から空振り三振を奪い、胴上げ投手となっている。