天下分け目の決戦は拙者に任せろ-。WBC日本代表の内海哲也投手(30)が、戦国武将の黒田長政のように武功を立てることを誓った。4日、福岡市内のグラウンドで単独練習。その地は、かつて関ケ原の戦いで大活躍した黒田長政が城主だった福岡城の跡地。2次ラウンド進出を決め、天下分け目の決戦が続く侍ジャパンにとって、世界一を予感させるような場所だった。

 グラウンドに到着した内海は、取り囲む城壁に目を奪われた。関係者から、黒田長政に縁のある地であることを聞き、気持ちが高ぶった。「僕はチームのコマ。勝つためなら、何でもする。黒田長政にとって、大将が徳川家康だったように、僕にとって、大将は山本監督。監督を世界一の男にするために、全力を尽くす」。関ケ原の戦いで東軍の勝利に貢献した黒田長政のように、侍ジャパンの世界一に死力を尽くす覚悟だ。

 熱き思いを胸に、約1時間汗を流した。ウオーミングアップでは、福岡城の天守までランニング。「世界一になります」と祈った。3日の中国戦では1回2/3を無失点。調整も万全で、絶好調をキープする。2次ラウンドも、救援、先発の両にらみで準備。「真の侍として、世界一に貢献する」と力強く誓った。【久保賢吾】

 ◆黒田長政

 くろだ・ながまさ。安土桃山時代から江戸時代前期にかけ、活躍した武将。豊臣秀吉の軍師だった黒田孝高(官兵衛)の長男として生まれ、賤ケ岳の戦いや小牧・長久手の戦いなどで功績を挙げた。