侍ジャパンの西武牧田が“VRブルペン”で調整した。宮崎・南郷でのキャンプ3クール目初日。投球練習が50球を超えたところで、突然ブルペン横の控室へ。WBC公式球が入った箱を受け取ると、再び投げ込みを再開した。

 ボールはすべて新品ではなく、多少使い込んだもの。これを数球投げるたびに交換し、いくつものボールで投球練習した。牧田は「いろいろな状況に対応する練習です」と、その意図を明かした。

 牧田 ワンバウンドして少し汚れたボールが捕手から返ってきた時にひらめいた。自分は大会ではリリーフが主。土がついたボールを使う機会も多い。しかもWBC公式球は日本のものよりも大きさや縫い目の個体差がある。本大会を想定して、いろいろなボールに対応する練習をしました。

 10日は雪が舞うほどの寒さだったが、それでも今年最多の105球を投げた。それも「米国での試合を想定した」という。3月の米国西海岸は寒さや乾燥に見舞われることもある。指先が乾き、かじかんだ中での投球練習は、考え方を変えれば格好の準備となる。

 牧田にかかれば、南郷のブルペンもWBCのマウンドに変わる。知性派右腕は“バーチャルリアリティー(仮想現実)方式”で、準備を進める。【塩畑大輔】