豪快な1号2ランと武骨な先制打はイメージ通りの打撃だった。前夜の筒香が見た映像とは。8年前の同じ3月7日、第2回WBCの2次ラウンド韓国戦にくぎ付けになった。日本打線が14得点を挙げて、7回コールド勝ちのハイライトを見返し「きれいな安打は1本もない。振りにいってるから安打になる。バットに当てにいったら正面をつく。全打席で(本塁打を)狙うぐらいの気持ちでいいと思った」と国際仕様の意識を明確にした。

 開幕と同時に申し分ない仕事ぶりで役割を果たした。小久保監督も「予想以上にプレッシャーがあった。その中で4番筒香が打ってほしいところで打ってくれた」と称賛。課せられた重責は目の前の光景が示している。「鳥肌が立ちました。これだけのファンの方から応援してもらい、最高の環境で野球ができたことに感謝したい」と筒香。いざ、世界一へ-。戦いが始まった。【為田聡史】